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企業がメールフォームを設置する際の最低限の作法

2021.03.03

WordPressでサイトにメールフォームを設置する際、プラグインを使用すれば簡単に設置が可能です。しかし、ただ単にサイトからメッセージを送信できるだけに留めているサイトが多いので企業サイトでメールフォームを設置する際に最低限気を付けておきたいことをご紹介いたします。

メールフォーム使用する際のフロー

WordPressを使えば簡単にお問い合わせフォームを設置することが可能です。しかし何の設定もなくただ設置しただけだとほとんどが下記のようなシンプルなフローになるかと思います。

  • ユーザーがフォームへ入力
  • 送信
  • 管理者へ内容が届く

しかしこれだけではユーザーからしたら、ちゃんと送信がされたのか、管理者から連絡が届くのかがまったくわかりません。ということで私は、通常サイトにお問い合わせフォームを設置する際に下記のようなフローを行ってユーザーにアナウンスするようにしています。

  • ユーザーがフォームへ入力
  • 必須項目、入力形式のチェック
  • 確認画面で入力内容を確認
  • 送信
  • 送信完了画面へ
  • ユーザーへ自動返信メール送信
  • 管理者へユーザーからのお問い合わせ内容送信

バリデーション(入力・形式チェック)と確認画面で入力する側の手間は多少増えてしまいますが、確認とアナウンスをしっかり対応することで誤入力・誤送信をなくし、結果ユーザーと管理者間のトラブルを減らすことが出来ます。

では各項目ごとに気を付ける点を確認していきます。

必須項目と入力形式のチェック

必須項目は名前やメールアドレスなど最低限欲しい情報、必要な情報にします。たまに項目がすごく多く、たいした情報でないにもかかわらずほぼ必須項目になっているフォームを見かけます。

運用側からしたら少しでも情報を得たいといった気持ちは分かりますが、ユーザー側の送信ハードルを上げてしまってはお問い合わせ自体を減らしてしまう原因となりますので、必須項目は本当に必要な項目だけにしましょう。お客様とのつながりを持つことが出来ればそこから可能性を広げていけるので、まずお問い合わせをいただけるよう注力することが大事です。

入力形式もメールアドレスなどシステムが絡む部分は重要ですが、それ以外対して重要でなければチェックを除外したりします。

確認画面について

プラグインによっては確認画面がデフォルトでついていないものがあります。そもそも確認画面って必要なのでしょうか?

海外などは入力画面から確認画面へ遷移するといったことがあまりないようです。
たしかに、入力しているときにいくらでも確認できますので、確認画面でわざわざ入力内容を確認する必要があるのか?といった考え方もできます。しかし日本の多数のサイトでは確認画面を採用していますので、そういったフローに慣れてしまっている日本人にとって確認画面が無いと逆に違和感を感じさせてしまいますし、システムの手抜きだといった印象を持たせてしまう可能性もありますので少し手間が掛かってしまいますが、特に理由がなければ通常は確認画面を一旦挟むようにしてます。

ただ、中には確認画面へのボタンを押して送信が完了したと勘違いするユーザーもいますので、そういったことがないようしっかりアナウンスして送信漏れがないようにしましょう。

送信完了画面について

送信が完了した際に、トップページに遷移したりお問い合わせのデフォルトの画面に切り替わったらユーザー側は送信されたのか戸惑ってしまいますので、送信完了画面に移動させて送信が完了した主旨を説明しましょう。

下記は私がよく使用しているフォーマットです。

送信が完了しました

この度は、〇〇〇〇へお問合せいただき、誠にありがとうございます。
ご入力いただいたメールアドレスへ自動返信の確認メールを送信いたしました。
いただきました内容を確認させていただき、2~3営業日以内に担当者より返信致しますので
今しばらくお待ちくださいませ。
自動返信メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダへ振り分けられている、
もしくはフィルターでブロックされている可能性がございますので
大変お手数ではございますが、それらのご確認をお願いいたします。
もし数日経ちましても返答がない場合は、何かの理由によりメールの送信、
もしくは受信が正常にが行えていない可能性がございます。
その場合は、たいへん恐縮ではございますが、下記連絡先まで直接お電話にてお問合せください。

〒000-0000
東京都世田谷区〇〇〇〇〇 2-1-xxx
TEL 03-1234-xxxx

送信が完了したことをお知らせすると共に、自動返信が送られたことをアナウンスします。

もし入力いただいたメールアドレスに誤りがあった場合は自動返信メールが届きません。また、メールアドレスが合っていても、フィルターなどでブロックされていればメールが届きません。
迷惑メールエリアに振り分けられている場合もありますので、見当たらない場合は確認したもらいましょう。
まずこれをクリアにしておかないと、こちらから改めて連絡したとしても同じ理由で先方が連絡を受けることが出来ませんので、最初にこの辺りに問題がないかをユーザーに確認してもらいます。

技術的な問題となるとすぐに解決できないこともあるでしょうから、その場合は可能であれば直接連絡いただけるように連絡先を案内しておくことも忘れずに。

自動返信メール

では私が普段使っている自動返信メールの文言のフォーマットをご紹介します。

この度は、〇〇〇〇へお問合せいただき、誠にありがとうございます。
こちらは自動返信メールになります。下記の内容にて承りましたのでご確認くださいませ。

─ご送信内容の確認─────────────────

お名前:{お名前}
メールアドレス {メールアドレス }
メッセージ本文:{メッセージ本文}

─────────────────────────────────

内容を確認のうえ、後日改めて担当者よりご連絡させていただきます。
もし数日経ちましても返答がない場合は、何かの理由によりメールの送信、もしくは受信が正常にが行えていない可能性がございますので、
その場合は、たいへん恐縮ではございますが、下記連絡先まで直接お電話にてお問合せください。

また、このメールに心当たりの無い方も、大変お手数ではございますが、下記連絡先までお問い合わせいただければ幸いにございます。

それではよろしくお願いいたします。

■………………………………………………………………■

  〇〇〇〇〇

  〒000-0000
  東京都世田谷区〇〇〇〇〇 2-1-xxx
  TEL 03-1234-xxxx

■………………………………………………………………■

ユーザーが自動返信メールをご覧いただいた場合は、問題なく受信出来ている状態ですのでご入力いただいた内容を確認してもらい、後日担当者からどれくらいの時間で返信するかをご案内します。

上記フォーマットでは数日で返信するとしてますが、〇営業日としても良いですし扱う企業で返信する期間のルールが決まっているのであればそれにあてはめてください。

ちなみに「返答がない場合は、何かの理由によりメールの送信、もしくは受信が正常にが行えていない可能性がございますので、その場合は、たいへん恐縮ではございますが、下記連絡先まで直接お電話にてお問合せください。」は自動返信メールが届いている時点でシステムは正常に動いてますので、管理者側でトラブルが無い限りは受信出来ているはずですので念のための一文になります。

フォームのおすすめプラグイン

WordPressを使うように依然は、CGIなどをサイトに設置してましたが、今ではプラグインでカスタマイズ性の高いフォームの設置が可能になりましたのでほとんどプラグインでフォームを扱うようになりました。

フォームのプラグインと言えば世界的にもシェアの高いContact Form 7が有名ですが、こちらのプラグインはデフォルトで確認画面がついていませんので私はMW WP Formを使っています。

MW WP Formは確認画面・完了画面のページをそれぞれ設定できますのでコンバージョンの数値を扱うのに便利です。また、バリデーション(入力・形式確認)の機能も優秀でさまざまなHTMLフォーマットにも対応しているので多機能のフォーム設置にも重宝しております。

MW WP Formは日本人開発者が日本人の好みに合わせて作ったプラグインです。もしフォームのプラグイン導入を検討している方がいましたら、私は迷わずMW WP Formをおすすめします。

自動返信メールの迷惑メール振り分けを避けるためには

プラグインで簡単にフォームを設置して自動返信メールをユーザーへ送信することが可能ですが、一つ問題があります。それは、プラグインの機能を使った送信は迷惑メールフォルダーへ振り分けられる可能性が高いということです。

なぜ迷惑メールフォルダへ振り分けられる事になるのか?それは送信されたメールに組み込まれている情報に関係しています。メールの受信システムはメールの入力情報以外に、送信元の情報を見て迷惑メールかどうかを判断しています。
通常のメール送信であれば、送った側のアドレスとメールの送信元の情報が一致するので迷惑メールと判断されにくいですが、プラグインなどPHPのプログラムを使ったシステムで送信しているので、情報に差異が生じて迷惑メールと判断される可能性があります。

もし少しでも迷惑メールフォルダの振り分けリスクを減らすのであればWP Mail SMTPなどのプラグインを使って、SMTPサーバー経由で送信する必要があります。

スパム対策

フォームを設置すると設置されたフォームを利用してスパム(迷惑)メールが届くようになります。多くのスパムメールは巡回ロボットがサイトのフォームを見つけて自動で無作為に送信されたものです。フォームの仕様がシンプルだとこういったスパムメールがしょっちゅう飛んできます。

この手のスパムメールに有効な手段は、チェックボックスを設置して必須項目にすることです。とはいえ急にチェックボックスを設置すると不自然ですので、私は確認ボタンの前に「送信される前にチェックしてください」と案内しています。

もしプライバシーポリシーページなどがある場合はそちらのリンクと一緒に「同意いただける場合はチェックして送信してください」などと一文加えることもいいでしょう。

それでもスパムが減らない場合はGoogleのreCAPTCHAを使用してスパムロボットの自動送信を防ぐ方法もあります。(プラグインもいくつかあります)

ただしこれはスパムの自動送信ロボットのみに有効ですので、ほんとたまに手動で迷惑メールを送ってくる企業もありますので、そうなると防ぐ手立てはありません。

フォーム最適化を意識する

フォーム最適化とはあまり聞いたことない方もいらっしゃると思いますが、簡単にいうと送信ハードルを極力減らして少しでも多く送信してもらおうという施策です。

上記でも少し触れましたがフォームで簡単に項目が増やせるのであれもこれもとたくさんの項目を追加してユーザーからたくさんの情報を得ようといった項目設置はユーザーの送信ハードルを上げてしまい、送信数の減少につながります。

また、この項目は本当に必要なのか、もしくは項目やアナウンスが足りていないのではないか?ユーザー側に負担を強いていないか?

より実践に近い形式でテストを重ねて最適なフォーム設置になるようにしましょう。

まとめ

今回ご紹介したメールフォームを設置する際の仕様は私が普段企業サイトを手掛ける際の仕様ですので、個人で運用するブログであればここまできっちりする必要はありません。

企業であれば、お問い合わせするユーザーからしたら相手がしっかりと情報を受け取ったか分かるだけでも安心できますので、こういった気遣いをするしないでは印象が変わります。

サイトによって運用ポリシーも様々ではあると思いますが参考にしていただければ幸いです。

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