SEOの真実!? 検索結果1位で期待できる効果は?
2023.10.11サイトを運用する中でSEOに力を入れ、狙ったキーワードで検索結果がより上位に表示されることは多くのサイト運用者が意識していることでしょう。
ところでSEOを何のためにやっているんでしょうか?
「SEOに力を入れて狙ったキーワードで検索上位に表示されればサイトへの流入が増えて商品・サービスの販売促進に繋がるから」
そういった考えでSEOに力を入れている運用者も多いことでしょう。しかしながらSEOが成功してせっかく上位に表示できたとしても思うようにサイトへの流入が増えるとは限りません。
狙ったキーワードで検索上位に表示されSEOとしては上手くいった。にも関わらずサイトへのユーザーの流入は思ったほど増えないし、商品・サービスもたいして売れない。現実にはそういった事も起こりえます。
サイトを運用する上で多くの人にとってSEOが重要であることは事実です。しかし、やみくもにSEOをしても費用対効果の観点から採算に見合うのか?労力に見合うのか?方向性として合っているのか?を考えていただきたいと思います。
目次
SEOの効果をCTRで考える
サイトが上位表示された場合の効果をCTRを基準に考えたいと思います。
CTRとは、検索結果の表示回数に対してどれくらいクリックされたかを表す数値で、クリック回数/表示回数です。SearchConsoleを見ていただけければ分かりますが、キーワードの順位と表示回数そしてクリックされた回数を確認することができます。
クリック回数 ÷ 表示回数 = CTR(クリック率)
運営するサイトがユーザーの検索によって表示された回数、そして実際にクリックまでたどり着いた数を使ってクリック率(CTR)を算出します。
ユーザーがGoogle検索を使って任意のキーワードで検索を掛けた際に表示されたサイトをすべてクリックすることはほとんどないでしょう。多くの場合は上位のいくつかのサイトをクリックするかと思います。当然上位表示されるほどCTRは高くなるというわけです。
では、検索1位を取れた場合はどれだけのCTRが見込めるのでしょうか?
検索結果が1位でもCTRが低いことが起こりうる
私の管理しているサイトでいくつかキーワードは1位など上位表示されており、かつキーワードの月間検索数などを見ても、そこそこ検索数(需要)があるにも関わらずそこまでクリック流入(自然検索での流入)がないことが気になりました。
これが、私の管理するサイトのキーワードに限った事なのか、もしくは一般的に検索上位表示のCTRがそこまで高くないのか、といった疑問が沸いたので調べてみると、検索結果で1位表示されたとしても平均的なCTR(クリック率)は14%弱であることが分かりました。
参考:https://www.seoclarity.net/mobile-desktop-ctr-study-11302/
もちろん平均的な数値ですので、キーワードによってはCTRの高いものもありますし、場合によってはもっと低いキーワードもあります。
- キーワードによってCTRに差がある
- 検索結果1位でもCTRの平均は14%弱程度
例えば、月間の検索数が1000件あるキーワードがあるとします。そのキーワードで検索順位で1位を取れれば、その検索キーワードからのクリック流入は1000件近くとまでは言わないものの、数百件は見込めるのでは?と思ってしまいますが平均的なCTRで考えれば、実際は140件弱が平均的な数値だということがデータから考えられます。
1000件も検索があるのに140件だと少ないと思いませんか?そこからコンバージョンに至るのはいったい何件になるのでしょうか?
以上のデータを踏まえると検索で上位を取れたからと言っても必ずしも流入に対して大きく期待できるものではないことが分かるかと思います。
検索結果のCTRが高くない理由
上位表示されて露出(検索結果表示)もされているのにそこまでクリック流入が伸びない。いったいなぜでしょうか?様々な状況を想定しつつ状況別にCTRを調べた結果、CTRが思うように伸びない傾向が見えてきました。
検索で上位表示されているにも関わらずCTRが低くなる要因は、「検索したけどクリックせずに離脱」、「純粋な検索結果以外のリンクのクリック」の二つしかユーザーの行動としては考えられません。
目的を持って検索したのにクリックせずに離脱するのは考えにくい。そうなると残された答えは「純粋な検索結果以外のリンクのクリック」という事になります。純粋な検索結果以外のリンクとして考えられるものは、リスティング広告やマップ、Googleビジネスプロフィールなどが考えられます。
適当にGoogle検索を行ってみると分かりますが、キーワードによっては「純粋な検索結果」(サイト情報)とは別にスポンサーと表記のついた「Google広告」であったり、「Googleビジネスプロフィール」の情報であったり「マップ」や「関連する質問」など検索の付加情報が表示されます。しかもそれらの情報の多くは「純粋な検索結果」よりも前に表示されます。
下の資料は、スマホでいくつかのキーワードで検索した際の表示項目のサンプルです。
検索するキーワードによっては上記のような構成で表示されます。
※Googleは日々表示アルゴリズムを変えているので同じキーワードでも日によって異なります。
この結果を踏まえると、検索結果で1位に表示されたとしても、ユーザーが検索の付加情報を優先させた場合、つまりマップ情報をみたり広告をクリックするとCTR低下の要因となるでしょう。
CTRの高い検索と低い検索
CTRが低下する要因として検索の付加情報を上げましたが、さらにCTRの高くなりやすい状況と低い状況の傾向をまとめました。
CTRの高い検索(キーワード)
CTRの高い検索は、ユーザーが具体的な目的を持って検索している場合です。具体的な目的でもって検索しているので、それに対して探しているサイト情報が表示されればクリックされる率も上がります。
特に上のサンプルの「東京ドーム」で考えると、決め打ちで検索しているので当然CTRが高くなります。東京ドームの場所や行き方を検索するのであれば付加情報を優先させますが、サイトを見る目的で検索しているユーザーも多くいるので検索結果のクリック(CTR)も多くなるでしょう。
また、付加情報も元は公式サイトのものを引用している場合が多いので、検索結果からの流入としては多くなります。
その他決め打ちまでいかなくても、複合キーワード絞られて具体的に合致するサイトもCTRが高くなるかと思います。しかし、広告はじめとする付加情報が多かったり、競合サイトが多い場合はユーザーのクリックが分散するでしょう。
CTRの低い検索(キーワード)
ユーザーが検索するときに具体的な目的を持っていない場合は上位に表示されてもユーザーが必ずしも欲している情報のサイトとも判断しないのでクリックされず、CTRが伸びにくくなります。さらに広告をはじめとする付加情報が多くなるとクリックが分散するのでCTRが低くなります。
また、スマホユーザーが多いジャンル(キーワード)に対して広告が多くなるとこちらもCTRの低下の要因となります。
スマートフォンだと一度に閲覧できる情報に限りがありますし、広告表示なのかそうでないのかあまり気にしないユーザーが多いと上部に表示されている広告の方の流入が増えます。
CTRが高低するまとめ
CTRが高くなる傾向
- 明確な目的(サイト)を意識して検索している
- 広告やGoogleビジネスなど付加情報が少ない
- 広告を避けるユーザーが多い
CTRが低くなる傾向
- 広告やGoogleビジネスなど付加情報が多い
- ユーザーが広告/非広告関係なくクリックする
- 明確な目的が無く検索している
- スマホユーザーが多い
広告など付加情報もうまく活用する
ここまでの内容を振り返ると、広告など付加情報は邪魔な存在と思う方もいるかもしれませんが、私たちがGoogle検索で質の高いサイト(情報)に巡り合えることができるのも、付加情報があるからこそという事を忘れてはいけません。
そして付加情報があるからこそ利便性が向上しユーザーが検索サービスを使う理由となるわけです。また、広告でしっかりマネタイズできているからこそGoogleは質の高い検索サービスを維持できるのです。
広告の利用
SEOで上位に表示されれば広告に費用を掛けることなくサイトへの流入を増やして収益をあげられると思うかもしれませんが、上記のことを踏まえると必ずしもそれが出来るとも限らないわけです。
広告が多く掲載されるキーワードであれば、それは広告に効果があるという証拠です。ライバルサイトがSEOにも広告にも力を入れているのであれば、自身のサイトも両方に力を入れなければ渡り合う事はできません。
広告のメリット
理想はSEOだけで多くのユーザーを獲得することです。しかし公開したばかりのサイトであればどんなに質の高いサイトでもSEOで上位表示するまでに多くの時間を費やします。その間Google広告などを使えばサイトを収益化するまでの時間を短縮するすることが可能です。
また、ジャンルによっては上位に表示されているサイトが規模の大きなサイトで占めてしまう事もあります。中々露出できない小規模のサイトでも広告を使うことによってユーザーへのアプローチが可能になります。
自信のある商品でもSEOで阻まれているのであれば、一度広告を使ってユーザーの目に留まるようにしてみるのも一つの手です。
実際にSEOでは弱くても広告メインで流入を維持して収益を上げているサイトも多くあります。
Googleビジネスプロフィール
狙ったキーワードの検索結果にマップやGoogleビジネスプロフィールの情報が優先して掲載されるようであれば、SEOと同じくらい意識して力を入れるべきです。
情報を充実させればGoogleから引用される機会が増えて結果検索に対して露出が高くなります。
その他の付加情報
関連する質問は、いくつかのサイトから引用した情報を掲載しているようです。検索アルゴリズムによってユーザーの関心の高い疑問を多数のサイトからピックアップしてます。
関連する質問をはじめGoogleが用意している付加情報はユーザーの関心の高いコンテンツです。自身のサイトにもこういったユーザーの関心の高いコンテンツを組み込むことによって検索結果に付加情報としてピックアップされる可能性もあります。
まとめ
この記事の主旨としては検索上位のCTRは想定よりも低い場合があるので、SEO上位表示に過渡な期待をし過ぎないという事が主な内容となってます。
SEOは大事ですが、上位表示で多くの流入が見込めないのであれば、購買意欲の高いユーザーなど質の高い流入を増やす努力をした方が効率的です。
Googleの検索といったような自然検索の他にも、FacebookやInstagramといったSNSからの流入や広告など様々な流入チャネルがあります。そしてそれらはサイトとの相性があります。
自身のサイトにどこからどういった流入が効果が高いのかをしっかり把握したうえでサイトを運用することが大事です。
- 検索で上位表示されたとしてもCTRが低いこともある
- Google広告も上手く利用すべき
- SEOは大事だが、効果をしっかり分析するべき
- SEOだけでなく他流入チャネルも意識