YOUはどこからこのサイトへ?-カスタムURLを作成してアナリティクスで出稿広告の流入数を見る方法
2021.07.05自身の管理するサイトの広告への出稿を行う際にこの広告はトップページのURL、この広告は下層ページの〇〇〇のURL、と該当のURLを出稿先に伝えていると思いますが、その広告からどれくらいのユーザーが流入してきたか把握してますか?
広告の掲載側のサイトが出稿されたリンクを踏んだ数を計測して伝えてくれる仕組みを持っていればそれを参考にできますが、そうでない場合は出稿期間中にアナリティクスのPVの変化を見て、「まぁだいたい増えているなぁ」といった曖昧な感覚で納得するしかありません。
せっかく費用をかけて広告を出したにもかかわらず、どれくらいの効果があったのか正確にわからないのであれば広告の費用対効果は測定できません。
今回は、広告の費用対効果を正確に把握出来るようにカスタムURLの生成方法をご紹介します。
目次
カスタムURLとは
カスタムURLとは通常のURLにトラフィックを呼び込んだキャンペーンを特定するためのパラメータを付与したものです。(Googleのサポートページより)
URLに広告ごとに異なるパラメータを付与することによってそのURLがどの広告から来たものかを把握することが可能になります。
パラメータ自体は色んな仕組みで利用されておりますが、Googleが指定するパラメータを使うことによってアナリティクスで正確な数値を測定することができます。
カスタムURLのパラメータ
URLのパラメータは末尾の「?utm_source=aaa」などといった文字列のことを表します。(パラメータからシステム上でどういった情報を持っているのかを識別します)
GoogleのカスタムURLのサンプルを見てください
https://mets-lab.com/?utm_source=aaa&utm_medium=bbb&utm_campaign=ccc&utm_term=ddd&utm_content=eee
https://mets-lab.com/から後の文字列がパラメータになります。これを分解していくと
https://mets-lab.com/
?utm_source=aaa
&utm_medium=bbb
&utm_campaign=ccc
&utm_term=ddd
&utm_content=eee
こうなります。
URLにパラメータを付与する場合のルールとして、URLとパラメータの間を「?」で区切る必要があり、以降パラメータが増える場合はパラメータの間に「&」を入れる必要があります。
ということでさらにパラメータを分解すると
utm_source=aaa
utm_medium=bbb
utm_campaign=ccc
utm_term=ddd
utm_content=eee
と5つのパラメータが付与されている事が分かります。
一番上の「utm_source=aaa」で見てみると、「utm_source」は「aaa」という値を表すことになります。つまり「utm_source」「utm_medium」「utm_campaign」「utm_term」「utm_content」と5つのパラメータに値をセットしているのです。
簡単に表現すると「utm_…」の部分は元々Googleで決められた設定用の項目名で「aaa」などにあたる部分は、使用者側が自身で広告ごとに識別しやすい名前(カテゴリやラベル名)を入れる部分になります。
カスタムURLは5つの設定項目が用意されてそれぞれに任意の名前を入れていきます。
下記はGoogleのサポートページの説明になります。
カスタム URL でキャンペーン データを収集する
項目 | 説明 |
---|---|
utm_source | プロパティにトラフィックを誘導した広告主、サイト、出版物、その他を識別します(Google、ニュースレター 4、屋外広告など) |
utm_medium | 広告メディアやマーケティング メディアを識別します(CPC 広告、バナー、メール ニュースレターなど)。 |
utm_campaign | 商品のキャンペーン名、テーマ、プロモーション コードなどを指定します。 |
utm_term | 有料検索向けキーワードを特定します。検索広告キャンペーンにタグを設定する場合は、utm_term を使用してキーワードを指定することができます。 |
utm_content | 似通ったコンテンツや同じ広告内のリンクを区別するために使用します。たとえば、メールのメッセージに行動を促すフレーズのリンクが 2 つある場合は、utm_content を使用して別々の値を設定し、どちらが効果的か判断できます。 |
※「utm_term」と「utm_content」に関しては任意のパラメータになりますので、不要であれば設定しなくても問題ありません。
Google広告はカスタムURLは不要なのか
Google広告に出稿している方も多いと思いますが、出稿用のアカウントをアナリティクスと連携設定が出来ているのであればGoogle広告に関してはカスタムURLは不要です。
Google広告との連携が出来ていればアナリティクスの専用メニューから正確な情報を確認することが可能です。
カスタムURLを簡単に管理/生成する方法
URLにパラメータを付けるやり方に慣れていない方は値を間違ってしまいそうですし、慣れている方でも管理が煩雑になれば間違う可能性もあります。
そこで私自身カスタムURLを簡単に管理と生成が出来る方法としてスプレッドシートを利用しています。
スプレッドシートで該当ページのURLと各パラメータの値を入れれば、生成URLのセルに出稿用のURLが生成されますので、それをコピーして使います。
項目名と期間などを入れておく事によってどの期間にどういった広告が出稿されていたのかも後から見返して分かりますので管理もしやすくなります。サンプルを公開してますので興味ある方は自身のスプレッドシートにコピペして使ってみてください。
アナリティクス用カスタムURL生成
※こちらのスプレッドシートのご利用は自己責任でお願いします。
カスタムURLの出稿(設置)後、ある程度流入が見込めるのに数日たっても数値に上がってこないようであればパラメータが間違っている可能性を疑ってみましょう。
カスタムURLを使った効果はどこから確認するのか
カスタムURLを使うことによって各出稿先から流入してきたユーザーは参照元としてカテゴライズされて確認することができます。
アナリティクスでいえば「集客」>「すべてのトラフィック」>「参照元/メディア」のメニューになります。
とくにカスタムURLを発行しなとも、Googleの自然検索であれば「google / organic」、Google広告であれば「google / cpc」、Yahoo!の自然検索であれば「yahoo / organic」といった参照元を確認できます。
カスタムURLを使えばもともとある参照元に加えて設定した出稿元の流入を示してくれるようになるのです。出稿期間中にどれだけの流入があったのか確認して効果が正確に把握できるようになります。
カスタムURLを使って不明だった大量のダイレクト流入の参照が判明
「参照元/メディア」にてどこからの流入か分からないものに関しては、「(direct) / (none)」となっています。
通常であればユーザーがサイトにやってくる際にリファラー情報を持ってやってきますので、リファラー情報から流入サイトの情報を取得しています。ところが、たまにリファラー情報を取得できないユーザーが存在します。リファラー情報が取得できなければ参照元サイトが分かりませんのでこういったユーザーはすべて「direct) / (none)」となってしまうのです。
- リファラー情報
-
リファラー情報はユーザーがどのサイト(ページ)からやってきたのかを示す情報で基本的にユーザーはリファラー情報を持って遷移します。
システムで任意にユーザーを遷移させている場合、ユーザーのリファラー情報が無い事があり、ユーザーがどこから来たのか分からなくなる為そういったユーザーは「direct) / (none)」に分類されます。
これは少なからずどのサイトでも数値に上がってしまいますが、あるサイトで看過できないほど大量の「(direct) / (none)」の数値が確認されました。
何が原因なのか確認していく中で、どうやらそのサイトはそのままのURL(パラメータなど付けていないURL)をいくつか広告出稿しているようでしたので、広告の出稿用にカスタムURLを発行して差し替えてもらいました。
すると、「direct) / (none)」の流入が大幅に減って各広告からの流入がラベリングされて参照元があきらかになりました。(一部はdirectが残りましたが、問題ない範囲です)
もしあなたの管理するサイトで大量の「(direct) / (none)」が発生しているのであれば、それは広告からの流入かもしれませんのでカスタムURLを使ってみてはいかがでしょうか。
紙媒体の場合はQRコードを発行しよう
広告の出稿はWebサイトだけでなく、雑誌などの紙媒体の場合もあるかと思います。
URLの文字だけしか掲載できない場合は、パラメータは付与せずになるべく簡単な文字列の打ち込みで済むようにしましょう。パラメータまで掲載してしまうとユーザーはそこまで打ち込まないといけないのかと思ってしまいますので、あまりに面倒なURLだと入力してくれません。
どうしてもパラメータを入れたい場合は短縮URLなども有効かと思います。
※短縮URLは他社サービスを経由するため、有効性の確認は自身でお願いします。
もしQRコードの掲載が可能であればカスタムURLをQRコードに変換してから画像を掲載すれば有効かと思います。(こういったサービスもあるので参考にしていただければと思います。)
まとめ
Googleが指定したパラメータさえしっかりURLに付与(URLの生成)できれば、ユーザーがどこからやってきたのかをアナリティクスで正確に把握することが出来るので、さまざまな分析を可能としてくれます。
広告からの流入が分かればそこからどれだけのコンバージョンが発生したのかを数値化することが可能になりますので、広告の費用対効果を正確に導き出すことが出来るようになります。
使ったことない方は是非とも使用してみてください。